アフィニティルールを活用しよう

本記事では、IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2 フレキシブルサーバリソース(以降、FSR)の活用方法をご紹介します。

早速ですが、アフィニティルールという機能を利用されたことはありますか?

アフィニティルールは任意に設定しますが、活用することで耐障害性やパフォーマンスの向上などが見込める機能です。今回はそのアフィニティルールについて詳しく説明します。

アフィニティルールについて

FSRなどのIaaS環境では、仮想マシンが稼働するホストサーバは隠蔽されているため、利用者は意識する必要はありません。しかし、冗長性などの観点で特定の仮想マシン同士を異なるホスト上に明示的に稼働させたいというニーズは多く、そのニーズを実現するのがアフィニティルールです。

アフィニティとは「密接」という意味ですが、その名のとおり仮想マシンとホストを密接に配置するための機能と、非アフィニティルールという逆の考え方で仮想マシンとホスト間を別々に配置する2つの機能を持っています。

各ルールと動作をまとめると次のとおりです。

ルール 動作 効果
アフィニティルール 特定の仮想マシンを、できるだけ同一ホストに配置する 仮想マシン間のネットワークの距離を限りなく近くし、パフォーマンスを向上させる
(例)APサーバとDBサーバを同一ホスト上に配置
非アフィニティルール 特定の仮想マシンを、できるだけ異なるホストに配置する 冗長構成を組んだ複数の仮想マシンが、単一のホスト障害で停止する事態を防止
(例)複数のドメインコントローラーを異なるホスト上に配置

アプリケーションレベルの可用性を高めるために複数の仮想マシンで冗長構成を組むケースは多く、非アフィニティルールを利用することで可用性を更に高められます。

アフィニティルールの設定

ルールと名の付くとおり、利用者が仮想マシンをどのように配置したいかルールとして定義します。このルール設定は、利用者がコントロールパネルから自由に設定できるようになっています。

アフィニティルールの管理画面です。アフィニティルールと非アフィニティルールを分けて管理できるので、直感的に操作できます。

アフィニティルールの設定は次の画面で行います。ルールに対して制御したい仮想マシンを登録することで、指定した仮想マシン同士のホスト配置を制御できます。

例として次の画面のように登録した場合は、Test-sv1とTest-sv2は異なるホストで稼働するように動作します。

登録が成功すると、次の画面のように登録されたルールが一覧で表示されます。ルールは複数作成可能です。

アフィニティルールの詳細な設定手順については、マニュアル「アフィニティルールを設定する」も合わせてご確認ください。

いかがでしたでしょうか?今回はアフィニティルールについてご紹介しました。他にも有用な機能はたくさんあるので、今後もご紹介していきます。

執筆者
IIJ サービスプロダクト推進本部 サービス推進部 技術支援2課