IIJ GIOに仮想マシンを移行する レプリケーション編#0: VMware Cloud Director Availability(VCDA)について

IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2(以降、Gen.2)フレキシブルサーバリソース(以降、FSR)は、VMware vSphere環境からVMware Cloud Director Availability(以降、VCDA)を使って仮想マシンを移行できます。

そんなVCDAについて「IIJ GIOに仮想マシンを移行する レプリケーション編」として、これから全7回のシリーズでご紹介を予定しています。

タイトル 概要
#0: VCDA について VCDAの全体概要
#1: レプリケーション:移行を利用可能にする FSRでの契約・設定作業
#2: VCDAのデプロイ(前半)デプロイ前の確認事項 移行元基盤へのVCDAアプライアンスのデプロイ
#2: VCDAのデプロイ(後半)VCDAをデプロイする
#3: VCDAの初期設定 VCDAコントロールパネルの設定・FSRとの接続
#4: レプリケーション設定 仮想マシンの移行・ネットワーク設定
#5: レプリケーションのテスト テスト移行の実施
#6: 仮想マシンを移行する 移行の実施

第0回である本記事では、VCDAの概要として仕組みや必要構成をご紹介します。

VCDAの概要

VCDAとはVMware社の提供する、仮想マシンのデータをVMware環境から異なる環境へレプリケーション(複製)、及び移行するツールです。

このシリーズでは、任意のVMware vSphere環境の仮想マシンを、インターネット越しにレプリケーションし、FSRへ移行してみます。

移行元VCDAとサービス側の共用VCDAは、事前に仮想マシンのデータを同期するため、切り替え時に最終同期のデータ量を少なくできます。

VCDAの移行の流れ

VCDAの移行は次の流れに沿って実施されます。

  1. VCDAのアプライアンスを移行元環境に構築し、FSRと接続します。
    VCDAのアプライアンスとFSRが接続されることで、Web UIで移行の作業が行えるようになります。
  2. 仮想マシンデータを、事前にレプリケーション転送します。
    レプリケーションされたデータは、ブロックストレージプールに格納されます。
  3. 仮想マシンをFSRに移行します。
    移行元の仮想マシンを停止させて最終同期を行った後、レプリケーションされていたデータを仮想マシンに変換します。

VCDAの移行時の注意

VCDAの導入には、移行元基盤のVMwareバージョンやネットワーク構成に条件があります。

  • VMware以外の仮想基盤では利用できない
  • VMware5.5以降の仮想基盤でのみ利用可能

VCDAを使った移行では、次の仮想マシンは移行ができないため注意してください。

  • 仮想ディスク共有を使用している仮想マシン
  • RDM(物理互換モード)を使用している仮想マシン

OS、ソフトウェア製品をIIJ GIOに移行する際のご注意

Gen.2 FSRはクラウドサービスであるため、移行する仮想マシンのOSやソフトウェアによっては、動作をサポートしていない場合があります。

また移行にあたり、ライセンスの新規購入や、ライセンス移行のための所定の手続きが必要になる場合もあります。

各製品のサポートや移行可否については、各製品の提供元へご確認ください。

また、Microsoft社製品、Red Hat社製品につきましては、ご利用の手引きも併せてご参照ください。

次回は実際に、FSRでの契約・設定作業をしてみます。お楽しみに。

執筆者
IIJ クラウド本部 クラウドソリューション部 ソリューション2課