IIJ GIOに仮想マシンを移行する レプリケーション編#2: VCDAのデプロイ(後半)VCDAをデプロイする

IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2

本記事は、VCDAのデプロイ記事の後半です。

タイトル 概要
#0: VCDA について VCDAの全体概要
#1: レプリケーション:移行を利用可能にする FSRでの契約・設定作業
#2: VCDAのデプロイ(前半)デプロイ前の確認事項 移行元基盤へのVCDAアプライアンスのデプロイ
#2: VCDAのデプロイ(後半)VCDAをデプロイする
#3: VCDAの初期設定 VCDAコントロールパネルの設定・FSRとの接続
#4: レプリケーション設定 仮想マシンの移行・ネットワーク設定
#5: レプリケーションのテスト テスト移行の実施
#6: 仮想マシンを移行する 移行の実施

前回の記事で設計したVCDAの構成をもとに、移行元のVMware vSphere基盤にVCDAアプライアンスの導入を行います。

VCDAのデプロイ

「#1: レプリケーション:移行を利用可能にする」でダウンロードしたVCDAアプライアンスを、vSphere Web Client(vSphere Clientでも可)の「OVFのデプロイ」機能を使って、移行元基盤にデプロイします。

vCenter Serverにアクセス可能な操作端末に、VCDAアプライアンスを準備してから作業を開始します。

本記事では以下の環境で操作を行います。

  • VMware vSphere バージョン:7.0 u1
  • 使用ブラウザ:Google Chrome

VMware vSphere のバージョンの違いなどで、操作内容に差異が出る場合があります。読み替えは適宜実施ください。

  1. vSphere Web ClientからOVFテンプレートのデプロイを実行します。
    操作方法はVMware vSphereのマニュアルをご確認ください。
  2. OVFテンプレートファイル画面では、デプロイするVCDAアプライアンス(ovaファイル)を選択し「次へ」をクリックします。
  3. VCDAアプライアンスに任意の仮想マシン名を設定し、配置場所を選択したら「次へ」をクリックします。
  4. コンピューティングリソース画面では、VCDAアプライアンスを稼働させるESXiサーバやリソースプールを選択し「次へ」をクリックします。
  5. 詳細の確認画面では「次へ」をクリックします。
  6. 使用許諾契約書画面では、内容を確認後「すべての使用許諾契約書に同意します」にチェックを入れ「次へ」をクリックします。
  7. 設定画面では、「On-premises to Cloud Director Replication Appliance」を選択し「次へ」をクリックします。

    ※ もう一方の「On-premises to Cloud vCenter Replication Appliance」はIIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2 フレキシブルサーバリソースでは使用できません。

  8. ストレージの選択画面では、プロビジョニングの種類(シック、シン)、及びVCDAアプライアンスをデプロイするデータストアを選択し「次へ」をクリックします。
  9. ネットワークの選択画面では、VCDAアプライアンスを接続するネットワークのうち1つを選択し「次へ」をクリックします。
    ここでは、操作端末から疎通可能なネットワークを選択してください。疎通性がないネットワークに接続する場合、次回以降の作業に影響します。
    また、2つ目以降のネットワークは後で設定します。
  10. テンプレートのカスタマイズ画面では、以下を設定します。

    Root Password 仮のパスワードを設定します。
    パスワードは、VCDAアプライアンスへの初回ログイン時に変更する必要があります
    Enable SSH チェックは必要ありません
    NTP Server VCDAアプライアンスから到達可能な任意のNTPサーバを指定します。
    デプロイ時点でNTPサーバに到達できなくても問題ありません
    Hostname 任意のホスト名を設定します。空欄にした場合「photomachine」という名前になります
    Address VCDAアプライアンスのIPアドレス、サブネットマスクを設定します(例:192.168.0.110/24)。
    ネットワークアドレスを入力したり、サブネットマスクの入力漏れがないようにご注意ください
    Gateway デフォルトゲートウェイを入力します
    MTU(bites) MTUを設定する場合は入力します。空欄にした場合「1500」が設定されます
    DNS Servers DNSサーバのIPアドレスを入力します
    Serch Domains DNSサフィックスを設定する場合は入力します(任意)
  11. 必要項目を入力したら「次へ」をクリックします。
  12. 設定の確認では設定値を確認し「完了」をクリックします。

設定が完了すると、VCDAの仮想マシンがデプロイされます。

仮想マシンネットワークインターフェースの追加

VCDAアプライアンスのデプロイ操作では、ネットワークインターフェースは1つしか設定できませんが、複数のネットワークインターフェースを持てます。

前回の記事で紹介したネットワーク設定例のようにするには、vSphere Web ClientからVCDAアプライアンス(仮想マシン)の「設定と編集」操作を行い、ネットワークインターフェースを追加してください。

以上で、VCDAアプライアンスのデプロイが完了しました。次回の記事では、VCDAアプライアンスを、フレキシブルサーバリソースに紐づけるための初期設定を行います。

執筆者
IIJ クラウド本部 クラウドソリューション部 ソリューション2課