IIJ GIOに仮想マシンを移行する レプリケーション編 #1: レプリケーション:移行を利用可能にする

本記事は、「IIJ GIOに仮想マシンを移行する レプリケーション編」のシリーズ第2回。VCDAによる仮想マシン移行の紹介記事の続きです。

タイトル 概要
#0: VCDA について VCDAの全体概要
#1: レプリケーション:移行を利用可能にする FSRでの契約・設定作業
#2: VCDAのデプロイ(前半)デプロイ前の確認事項 移行元基盤へのVCDAアプライアンスのデプロイ
#2: VCDAのデプロイ(後半)VCDAをデプロイする
#3: VCDAの初期設定 VCDAコントロールパネルの設定・FSRとの接続
#4: レプリケーション設定 仮想マシンの移行・ネットワーク設定
#5: レプリケーションのテスト テスト移行の実施
#6: 仮想マシンを移行する 移行の実施

契約環境でVCDAを利用開始するための準備を進めていきます。

概要

VCDAを利用するためには、契約中のIIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2 フレキシブルサーバリソースにおいて、「レプリケーション:移行」オプションを契約します。

なお、本オプションは無料です。契約後、専用の管理画面からVCDA利用開始のための準備を行います。

「レプリケーション:移行」オプションの契約

契約方法は、下記オンラインマニュアルをご確認ください。
サーバリソースの契約変更

なお、レプリケーションのオプションにはもう一つ「レプリケーション:DR」があります。
こちらも「レプリケーション:移行」と同じくVCDAを利用できるオプションですが、機能や操作方法が異なるため、本記事のとおりには操作できません。ご注意ください。

レプリケーションの初期設定

「レプリケーション:移行」オプションを契約すると、フレキシブルサーバリソース画面の「レプリケーション」タブが操作できるようになります。

ここから、レプリケーションの初期設定を行います。

  1. フレキシブルサーバリソース画面を表示します。
    操作の詳細は、ご利用の手引きをご確認ください。
  2. 「レプリケーション」タブをクリックし、レプリケーションの設定画面を表示します。
  3. 「ピアリング用アカウント」の有効化とパスワード設定を行います。
    操作の詳細は、ご利用の手引きをご確認ください。

    ※ 「ピアリング用アカウント」は、フレキシブルサーバリソース画面において強い権限を持つアカウントです。アカウント及びパスワードの管理は適切に行ってください。また、VCDAを利用しない場合は無効化を推奨します。

VCDAアプライアンスのダウンロード

VCDAアプライアンスは、VMware社のWebサイトから無料でダウンロードできます。

  1. 「レプリケーション」タブに表示されている「VMware Cloud Director Availavility x.x.x On premises Appliance ダウンロードページ」をクリックします。
  2. VCDAアプライアンスをダウンロードするには、VMware Customer Connectのアカウントが必要です。アカウントを保有されていない場合は、画面右上の「Register」から作成してください。
  3. 画面内の「VMware Cloud Availability x.x.x Tenant Appliance」の「DOWNLOAD NOW」をクリックしたら、VMware Customer Connectにログインします。
  4. ログインに成功すると、先ほどのダウンロード画面に戻り、自動でダウンロードが開始されます。しばらく待っても開始されない場合は、再度「DOWNLOAD NOW」をクリックします。

ダウンロードしたVCDAアプライアンスは、ovaファイル形式で提供されます。こちらは次回の記事で使用します。移行したい仮想マシンがあるVMware vSphere環境の、vCenter Serverにアクセス可能な端末に配置してください。

また、「レプリケーション」タブに記載の「ピアリング用サービスエンドポイントアドレス」と「ピアリング用アカウント」は、第3回の記事で使用します。

ここまでで、フレキシブルサーバリソース画面上の操作はいったん完了です。次回の記事では、ダウンロードしたVCDAアプライアンスをVMware vSphere環境にデプロイ(配置)する前の確認事項を解説します。

執筆者
IIJ クラウド本部 クラウドソリューション部 ソリューション2課